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失敗しない対策方法を完全解説【2025年版】
WordPressサイトを運営していて、「バックアップって本当に必要?」「どうやって設定すればいいの?」と疑問に思っていませんか?
この記事では、WordPressバックアップの重要性から具体的な設定方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。実際にデータを失った経験を持つ筆者が、失敗しないバックアップ戦略をお伝えします。
目次
- WordPressバックアップが重要な3つの理由
- バックアップを怠ると起こる深刻なリスク
- WordPressバックアップの基本知識
- おすすめのバックアップ方法5選
- 自動バックアップの設定手順
- バックアップの復元方法とトラブル対処法
- よくある質問と解決方法
WordPressバックアップが重要な3つの理由
1. データ損失によるビジネス損害の防止
WordPressサイトには、記事コンテンツ、顧客情報、売上データなど、ビジネスにとって重要な情報が蓄積されています。これらのデータが失われると、以下のような深刻な影響が発生します:
- 売上機会の喪失:ECサイトの場合、1日のダウンタイムで数十万円の損失
- 顧客信頼の失墜:サービス停止による既存顧客の離脱
- SEO順位の下落:サイトが表示されない期間の検索エンジン評価低下
2. サイバー攻撃からの迅速な復旧
近年、WordPressサイトを狙ったサイバー攻撃が急増しています。「マルウェア感染やハッキング」により、サイトが改ざんされたり、完全に使用不能になるケースも珍しくありません。
定期的なバックアップがあれば、攻撃を受けた場合でも「清潔な状態に即座に復元」できるため、被害を最小限に抑えられます。
3. システム障害・人為的ミスからの保護
- プラグイン・テーマ更新時の不具合
- サーバー障害によるデータ消失
- 操作ミスによる重要データの削除
- WordPressコア更新時の互換性問題
これらのトラブルは、どんなに注意深く運営していても完全には避けられません。バックアップは「保険」として機能し、安心してサイト運営を続けられる基盤となります。
バックアップを怠ると起こる深刻なリスク
データ完全消失による事業停止
バックアップを取っていない状態でデータを失うと、「サイトの完全再構築」が必要になります。これには以下のコストと時間がかかります:
- 再構築費用:制作会社に依頼した場合50万円〜200万円
- 復旧期間:1〜3ヶ月の長期間
- 機会損失:その間の売上・集客チャンスの完全な消失
SEO評価の大幅低下
Googleはサイトの「表示速度と安定性」を重要な評価要素としています。長期間のダウンタイムは:
- 検索順位の大幅下落
- インデックス削除のリスク
- ドメインオーソリティの低下
- 競合他社への顧客流出
顧客・取引先からの信頼失墜
企業サイトやECサイトが長期間停止すると:
- 既存顧客の他社流出
- 新規顧客獲得の困難化
- 取引先からの信頼度低下
- ブランドイメージの悪化
WordPressバックアップの基本知識
バックアップの対象となるデータ
WordPressサイトをフル復元するには、以下の要素すべてをバックアップする必要があります:
1. データベース(MySQL)
- 記事・固定ページのコンテンツ
- ユーザー情報・コメント
- プラグイン・テーマの設定
- メニュー・ウィジェット設定
2. ファイル系統
- WordPressコアファイル
- プラグイン・テーマファイル
- アップロードした画像・動画
- wp-config.php(設定ファイル)
バックアップの頻度と保存期間
推奨バックアップ頻度
サイトタイプ | 更新頻度 | 推奨バックアップ頻度 |
---|---|---|
企業サイト | 月1-2回 | 週1回 |
ブログサイト | 週2-3回 | 毎日 |
ECサイト | 毎日 | 1日2-3回 |
メディアサイト | 毎日 | 毎日 |
保存期間の目安
- 直近バックアップ:30世代(過去30日分)
- 月次バックアップ:12世代(過去12ヶ月分)
- 年次バックアップ:3-5世代(長期保存用)
バックアップの保存場所
複数箇所への分散保存が重要です:
- サーバー内:高速復元が可能(緊急時用)
- 外部クラウド:Google Drive、Dropbox、Amazon S3
- ローカル環境:PC・外付けHDDへの定期ダウンロード
おすすめのバックアップ方法5選
1. UpdraftPlus(最も人気)
特徴
- 300万以上のアクティブインストール
- 無料版でも充実した機能
- Google Drive、Dropbox等と連携可能
- 復元も簡単な操作で実行
料金
- 無料版:基本機能利用可能
- 有料版:年間70ドル〜(複数サイト対応)
おすすめ度:★★★★★
2. BackWPup
特徴
- ドイツ製の高品質プラグイン
- 詳細なスケジュール設定が可能
- FTP、クラウドストレージ対応
- データベース最適化機能付き
料金
- 無料版:個人利用に十分
- 有料版:年間69ユーロ〜
おすすめ度:★★★★☆
3. Jetpack Backup
特徴
- WordPress.comが提供する公式サービス
- リアルタイム自動バックアップ
- ワンクリック復元機能
- セキュリティスキャン機能も統合
料金
- 月額3.95ドル〜
おすすめ度:★★★★☆
4. 手動バックアップ(cPanel・FTP)
特徴
- 完全にコントロール可能
- コストは最小限
- 技術知識が必要
- 忘れやすいのがデメリット
料金
- 無料(サーバー費用のみ)
おすすめ度:★★☆☆☆
自動バックアップの設定手順
UpdraftPlusを使った設定方法
ステップ1:プラグインのインストール
- WordPressダッシュボードの「プラグイン」→「新規追加」
- 検索ボックスに「UpdraftPlus」と入力
- 「今すぐインストール」→「有効化」をクリック
ステップ2:基本設定の実行
- 「設定」→「UpdraftPlus Backups」に移動
- 「設定」タブをクリック
- バックアップスケジュールを設定:
- ファイルの自動バックアップ:毎日
- データベースの自動バックアップ:毎日
- 保持する数:30
ステップ3:保存先の設定
- リモートストレージを選択(Google Drive推奨)
- 「変更を保存」をクリック
- Google Driveとの連携設定を完了
ステップ4:初回バックアップの実行
- 「現在の状態」タブに戻る
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- 完了まで待機(サイトサイズにより5-30分)
BackWPupでの自動設定
新しいジョブの作成
- 「BackWPup」→「Add new job」
- ジョブ名を入力(例:「毎日自動バックアップ」)
- バックアップタイプを選択:
- Database backup:チェック
- File backup:チェック
- WordPress XML export:チェック
スケジュール設定
- 「Schedule」タブを選択
- Job starts:「with WP cron」
- Scheduler type:「basic」
- 実行時間:深夜2時(アクセスが少ない時間)
バックアップの復元方法とトラブル対処法
UpdraftPlusでの復元手順
通常の復元方法
- ダッシュボード→「設定」→「UpdraftPlus Backups」
- 「既存のバックアップ」セクションで復元したい日付を選択
- 「復元」ボタンをクリック
- 復元する要素を選択:
- プラグイン
- テーマ
- アップロード
- その他
- データベース
- 「復元」を実行し、完了まで待機
緊急時の復元方法(管理画面にアクセスできない場合)
- FTPソフトでサーバーに接続
/wp-content/updraft/
フォルダから最新のバックアップをダウンロード- 既存ファイルをバックアップファイルで置換
- データベースを手動でインポート
よくあるトラブルと対処法
エラー1:「バックアップファイルが見つかりません」
原因:保存先のクラウドストレージとの接続が切れている
対処法:
- 保存先の再認証を実行
- 手動でバックアップファイルをアップロード
- ローカルバックアップから復元
エラー2:「復元中にタイムアウトが発生」
原因:サーバーのリソース制限や大容量ファイル
対処法:
- php.iniの設定値を増加(memory_limit、max_execution_time)
- 分割復元(データベース→ファイルの順)
- 深夜など負荷の少ない時間帯に実行
エラー3:「データベースエラーが発生」
原因:WordPress バージョンの違いやプラグインの互換性
対処法:
- WordPressコアファイルを最新版に更新
- プラグインを一時的に無効化
- テーマをデフォルトに変更後、復元実行
バックアップ運用のベストプラクティス
定期的な復元テスト
バックアップは「取っているだけ」では意味がありません。「月1回は復元テスト」を実行し、正常に復元できることを確認しましょう。
復元テストの手順:
- ステージング環境を用意
- 最新のバックアップからサイトを復元
- 全ページの表示確認
- 管理機能の動作確認
- 問題があれば設定を見直し
バックアップの監視・アラート設定
設定すべきアラート:
- バックアップ実行の成功・失敗通知
- クラウドストレージの容量不足警告
- 古いバックアップファイルの自動削除通知
セキュリティ考慮事項
バックアップファイルの保護:
- パスワード付きZIP圧縮
- アクセス権限の適切な設定
- 定期的なアクセスログの確認
よくある質問と解決方法
Q1: 無料のバックアップサービスでも十分ですか?
A: 個人ブログや小規模サイトなら無料版で十分です。ただし、以下の場合は有料版を検討してください:
- 売上に直結するECサイト
- 大量のデータを扱うメディアサイト
- 復元を頻繁に行う開発環境
- 24時間サポートが必要な業務利用
Q2: バックアップの容量はどの程度になりますか?
A: サイトの規模により大きく異なりますが、目安は以下の通りです:
- 小規模ブログ:100MB〜500MB
- 企業サイト:500MB〜2GB
- ECサイト:1GB〜10GB
- 大規模メディア:10GB〜100GB
画像・動画ファイルが容量の大部分を占めるため、不要なファイルは定期的に整理しましょう。
Q3: サーバー移転時にもバックアップを使えますか?
A: はい、活用できます。ただし、移転先サーバーの環境(PHPバージョン、データベース設定など)を事前に確認し、必要に応じて調整を行ってください。
Q4: バックアップファイルはどこに保存するのが最適ですか?
A: 3-2-1ルールに従うのがベストです:
- 3つのコピー:オリジナル + 2つのバックアップ
- 2つの異なる媒体:ローカルストレージ + クラウドストレージ
- 1つは遠隔地:物理的に離れた場所(異なるデータセンター)
確実なバックアップでWordPressサイトを守る
WordPressサイトの運営において、「バックアップは絶対に欠かせない基本要素」です。データ損失によるビジネス損害は、バックアップにかかるコストの何十倍・何百倍にもなる可能性があります。
今すぐ実行すべきアクション
- バックアッププラグインの導入(UpdraftPlus推奨)
- 自動バックアップの設定(毎日実行)
- クラウドストレージとの連携(Google Drive等)
- 復元テストの実施(月1回)
- バックアップ監視の設定(メール通知)
長期的な運用戦略
- 定期的なバックアップ設定の見直し
- サーバー・プラグイン更新前の手動バックアップ
- 災害対策を含む総合的なリスク管理
- チーム内でのバックアップ運用ルールの共有
「まさか自分のサイトが…」と思った時には、すでに手遅れです。今この瞬間から、確実なバックアップ体制を構築し、安心してWordPressサイトを運営していきましょう。
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