「WordPressのサイトはセキュリティ的に危ない」という話を耳にすることがあります。ネット上で多くのサイトが不正アクセスや改ざんの被害に遭っているニュースを見ると、特に初心者の方は不安に感じるかもしれません。
しかし、結論から言えば、WordPress自体が本質的に「危ない」わけではありません。むしろ、世界中で最も利用されているCMS(コンテンツ管理システム)であるからこそ、そのセキュリティ対策と仕組みは日々進化しています。
この記事では、なぜWordPressが危ないと言われるのかを解説し、本当は危なくない理由と、サイトを安全に保つために最も重要となる「保守管理」の観点について掘り下げていきます。
なぜWordPressは「危ない」と言われるのか?
WordPressが危ないと言われる主な理由は、その圧倒的なシェアの高さと、運用の実態にあります。
- 標的になりやすい: ネット上のウェブサイトの約4割以上がWordPressで構築されているため、悪意あるハッカーやボットにとって、攻撃対象として「効率が良い」のです。
- 不適切な運用が多い: 誰でも簡単に導入できる手軽さゆえに、セキュリティに関する知識が不足したまま運用を開始し、必要な対策を怠っているサイトが多いのも事実です。
本体は堅牢!脆弱性の大半は「プラグイン」に起因する
WordPressが安全であることの根拠は、そのコアの部分にあります。
WordPress本体は非常に堅牢
WordPress本体(コアファイル)は、世界中のセキュリティ専門家や開発者によって常にチェックされ、脆弱性の発見から修正までが非常に迅速に行われています。そのため、最新バージョンを使っている限り、本体の深刻な脆弱性が原因で被害を受ける可能性は極めて低いと言えます。
脆弱性に関する主なデータ傾向(2024年レポートベース)
脆弱性の発生源の割合
WordPressに関連して発見される脆弱性の圧倒的大部分は、以下の通り「コアソフトウェア(本体)」以外に起因しています。
| 発生源 | 脆弱性の割合(概算) |
| プラグイン | 約 90% |
| テーマ | 約 6% |
| WordPressコア (本体) | 約 4% |
データの主な取得元(ソース)一覧
- Wordfence:WordPress専門の著名なセキュリティベンダー。毎年発表される「年次セキュリティレポート」は、脆弱性の件数、攻撃総数、攻撃パターンの変化など、詳細な統計を提供する主要な情報源です。特に、脆弱性の「発生源の割合(プラグイン vs コア)」や「攻撃手法の傾向(ブルートフォースの減少など)」の根拠として参照されます。
- Patchstack:プラグインとテーマの脆弱性検出・保護を専門とするサービス。脆弱性の件数や深刻度、プラグイン起因の脆弱性割合などの詳細なレポートを公開しており、プラグインの脆弱性が圧倒的に多いというデータの裏付けとなります。
- JVN iPedia / JPCERT/CC:日本の公的機関(IPA、JPCERT/CC)による脆弱性対策情報データベース。実際に報告・調整された個別の脆弱性情報(CVE)や、国内での具体的なプラグインの脆弱性事例に関する情報源として参照されます。
- その他のセキュリティ企業:Jetpack、SolidWP (旧 iThemes)、Sucuriなどのセキュリティ関連企業も、独自のスキャンデータに基づき、マルウェア感染の傾向や攻撃のタイプに関する統計データを公開しています。
リスクの大部分はプラグインやテーマから
このデータから、WordPressのセキュリティ対策において、最も注意を払うべきは「プラグインの管理」であることが明確に分かります。WordPress本体は常に開発者コミュニティによって迅速に修正・更新されており、比較的堅牢です。リスクは、品質や開発体制が多様な外部のプラグインやテーマから持ち込まれることが大半です。
- 開発元が多岐にわたる: プラグインやテーマは、さまざまな個人や企業が開発しており、その品質やセキュリティ意識には大きな差があります。
- アップデートが滞る: 開発が終了したり、セキュリティ修正のアップデートが提供されないまま放置されたりしたプラグインが、サイトへの主要な侵入経路となるケースが圧倒的に多いのです。
したがって、WordPressのセキュリティは、「本体」よりも「拡張機能」の管理が鍵となります。
サイトの命綱!最も重要な「保守管理」の観点
WordPressのサイトの安全性を決めるのは、WordPress本体ではなく、それをどう運用・管理するかにかかっています。
1. 「更新」を怠らないことこそが最高の防御策
これが最も重要です。脆弱性は、導入しているテーマやプラグインに存在する可能性が圧倒的に高いためです。
- プラグイン・テーマのアップデート: 頻繁に更新されている、信頼できる開発元のものだけを使用し、脆弱性が修正された最新のバージョンに常に保つことが必須です。
- 本体のアップデート: もちろん、本体も新しいバージョンがリリースされたら、互換性を確認した上で速やかにアップデートしましょう。
古いバージョンのまま放置されているサイトこそが、不正アクセスの最大の標的となります。「常にアップデートを行なっていれば、セキュリティの問題はほぼ解決できる」と言っても過言ではありません。
2. 厳重な初期設定
- 強力なパスワード: 推測されにくい複雑なパスワードを設定し、定期的に変更しましょう。
- 二段階認証の導入: 管理画面へのログインに二段階認証を設定することで、不正ログインのリスクを大幅に軽減できます。
- 不要なファイルの削除: 使っていないテーマやプラグインは、無効化するだけでなく、サーバーから削除しましょう。使っていない機能は、それ自体がリスクになり得ます。
3. 定期的なバックアップの習慣
万が一、サイトが改ざんされたり、操作ミスで壊れてしまったりした場合でも、最新のバックアップがあればすぐに復旧できます。セキュリティ対策は「盾」ですが、バックアップはサイトの「保険」です。必ず定期的なバックアップを取得し、ローカルや別のクラウドサービスなどに保管しておきましょう。
まとめ:安全は「意識」と「継続」で守られる
WordPressのサイトは、その手軽さゆえに「野ざらし」にされがちですが、それはセキュリティ上の怠慢です。
サイトを安全に運用していくために必要なのは、「危ない」と恐れることではなく、「保守管理が非常に大事」という意識を持つことです。
車の車検や点検と同じように、WordPressも定期的な「メンテナンス」が不可欠です。プラグインとテーマを常に最新に保ち、適切な初期設定を行うというシンプルな運用習慣さえ守れば、WordPressは非常に堅牢で、ビジネスの基盤として安心して利用できる最高のプラットフォームになります。
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