最終更新日
ドメイン・サーバー移管からサイト移行までを徹底解説!
ウェブサイトを運営していると、いつか「引っ越し」が必要になる時が来ます。これは、現在利用しているサーバーやドメインの管理会社を変更したり、より良い環境に移行したりすることを指します。単にファイルをコピーするだけではなく、いくつか専門的な手続きが必要になるため、「難しそう」「失敗したらどうしよう」と感じる方も少なくありません。
この記事では、ドメイン移管、サーバー移管、そしてサイトデータの移行という3つの主要なステップに焦点を当て、それぞれの詳細と成功させるためのポイントを徹底的に解説します。あなたのウェブサイトを安全に、そしてスムーズに新しい環境へ移すための羅針盤として、ぜひご活用ください。
ホームページの「引っ越し」とは何か?
ホームページの引っ越し(移管)とは、具体的に以下のいずれか、または複数を指します。
- 【ドメイン移管】ウェブサイトのアドレス(例:
yourdomain.com
)の管理会社を変更すること。 - 【サーバー移管】ウェブサイトのデータが保存されているサーバーの会社を変更すること。
- 【サイトデータ移行】現在のサーバーから新しいサーバーへ、ウェブサイトのファイル(HTML、CSS、画像など)やデータベースを移すこと。
これらの移管作業は、既存のウェブサイトを停止させずに新しい環境で稼働させるための重要なプロセスです。
1. ドメイン移管:ウェブサイトの「住所」を移動する
ドメインは、インターネット上におけるあなたのウェブサイトの「住所」です。この住所の管理者を変更する手続きがドメイン移管です。
ドメイン移管が必要なケース
- 現在のドメイン管理会社のサービスや料金に不満がある。
- 複数のドメインを一つの管理会社でまとめて管理したい。
- サーバー移管に伴い、ドメインも同じ会社で管理したい。
ドメイン移管の主な流れ
現在のドメイン管理会社での手続き
- 【AuthCode (認証コード) の取得】ドメイン移管には、現在の管理会社から発行されるAuthCode(またはAuthInfo Code, EPP Codeなど)が必要です。これは、ドメイン所有者であることを証明するパスワードのようなもので、不正な移管を防ぐ役割があります。
- 【ドメインロックの解除】ドメインがロックされている場合、移管ができないため、管理画面からロックを解除します。
- 【WHOIS情報の確認】ドメインの登録情報(WHOIS情報)が正確で、メールアドレスが受信できる状態にあるか確認します。AuthCodeの送付や移管承認のメールが、この登録アドレスに送られることが多いため重要です。
新しいドメイン管理会社での手続き
- 移管申し込みページから、移管したいドメイン名とAuthCodeを入力し、手続きを進めます。
- 移管が承認されると、通常5日~10日程度で移管が完了します。この間、ウェブサイトの表示には影響がないのが一般的です。
注意点
- 【ドメインの更新期間】ドメインの有効期限が近い(残り1ヶ月以内など)場合、移管ができないことがあります。時間に余裕を持って手続きしましょう。
- 【移管中の変更制限】移管手続き中は、ドメインの登録情報変更やネームサーバー変更が制限されることがあります。
- 【移管手数料】新しい管理会社で移管手数料がかかる場合があります。
2. サーバー移管:ウェブサイトの「土地」を移動する
サーバーは、ウェブサイトのデータが保存され、インターネットに公開される「土地」のようなものです。サーバー移管は、この「土地」を別の会社や場所に移すことを指します。
サーバー移管が必要なケース
- 現在のサーバーの表示速度が遅い、安定性に問題がある。
- サーバーの費用を抑えたい、または高機能なサーバーにアップグレードしたい。
- サポート体制に不満がある。
- ウェブサイトの成長に伴い、より大規模なサーバー環境が必要になった。
サーバー移管の主な流れ
- 【新しいサーバーの契約】移管先のレンタルサーバーを契約します。
- 【サイトデータの移行】
- 現在のサーバーからウェブサイトのファイル(HTML、CSS、JavaScript、画像など)をダウンロードします。WordPressなどのCMSを使用している場合は、データベースのバックアップも必要です。
- ダウンロードしたファイルを新しいサーバーへアップロードします。
- WordPressの場合、データベースを新しいサーバーにインポートし、
wp-config.php
などの設定ファイルを新しいデータベース情報に合わせて修正します。 - サイト内のURLが絶対パスで記述されている場合、新しいドメイン名やサーバーパスに合わせてURLの一括置換が必要になることがあります。これはWordPressプラグイン(例: All-in-One WP Migration, Duplicator)や、SQLコマンドでデータベースを直接編集することで行えます。
- 【動作確認】新しいサーバー上で、移管したサイトが正しく表示され、機能が正常に動作するかを、公開前にテストドメインなどで確認します。
- 【ドメインのネームサーバー変更】
- 最終ステップとして、ドメインのネームサーバー設定を、現在のサーバーから新しいサーバーのものに切り替えます。この設定変更により、ユーザーがドメインを入力した際に、新しいサーバーのウェブサイトが表示されるようになります。
- ネームサーバーの変更がインターネット全体に反映されるまでには、数時間から最大で72時間程度かかることがあります(これを「伝播」と言います)。この間は、古いサーバーのサイトが表示されたり、新しいサーバーのサイトが表示されたりする期間が発生することがあります。
注意点
- 【ダウンタイムの最小化】ネームサーバー切り替え後の伝播期間中に、古いサーバーと新しいサーバーの両方で同じウェブサイトが表示されるように準備することで、ユーザーが「サイトが見られない」という事態を避けることができます。
- 【URLの変更】サーバー移管では通常URLは変わりませんが、もし同時にドメインも変更する場合は、301リダイレクト設定やGoogle Search Consoleでの変更通知など、SEOに影響が出ないよう慎重に対応が必要です。
- 【WordPress特有の注意点】
- データベースのパスワード変更:サーバーが変わるとデータベースのパスワードも変わることが多いため、
wp-config.php
の更新は必須です。 - URLの書き換え:サイト内URLが絶対パスで記述されている場合、データベース内のURLを一括で新しいドメインに書き換える必要があります。この作業を怠ると、画像が表示されない、リンクが機能しないなどの問題が発生します。
- パーミッションの確認:移管後、ファイルやディレクトリのパーミッションが推奨値(ファイルは644、ディレクトリは755など)になっているか確認しましょう。
- データベースのパスワード変更:サーバーが変わるとデータベースのパスワードも変わることが多いため、
ホームページ引っ越しを成功させるための共通のポイント
- 【十分な時間と計画】引っ越し作業は計画的に行い、時間に余裕を持ちましょう。特にネームサーバーの伝播期間を考慮に入れる必要があります。
- 【事前のバックアップ】作業に取り掛かる前に、現在のウェブサイトのファイルとデータベースの完全なバックアップを必ず取りましょう。万が一の事態に備える最も重要な対策です。
- 【プロフェッショナルの活用】もし、自身での作業に不安がある場合は、専門のウェブ制作会社やサーバー移管代行サービスに依頼することを検討しましょう。安全かつ確実な移管を実現できます。
- 【SEOへの配慮】ドメイン変更を伴う場合は、301リダイレクト設定を適切に行い、Google Search Consoleでサイト変更を通知するなど、検索順位への影響を最小限に抑える対策が必要です。
- 【テスト環境での確認】本番環境へ切り替える前に、新しいサーバーでの動作を徹底的にテストすることが重要です。
まとめ:計画と確認で、安全なサイト移管を実現しよう
ホームページの引っ越しは、ウェブサイトをより良い環境で運営し続けるための重要なステップです。ドメイン移管、サーバー移管、サイトデータ移行という各ステップにおいて、事前の準備と正確な手続きが求められます。特に、データベースの扱い、URLの書き換え、ネームサーバーの切り替えといった専門的な部分は、慎重に進める必要があります。もし自信がない場合は、無理をせずプロの力を借りることも賢明な選択です。
計画的に、そして一つ一つの確認を怠らないことで、あなたのウェブサイトは新しい環境で、さらに力強くその情報を発信し続けることができるでしょう。
上記はホームページの一般的な引越しの流れになります。当社では、全て内容を代行いたしますので安心してお引越しできます。現在管理費が高いとお悩みの方はぜひご相談下さい。